心理会計

心理会計(Psychological Accounting)は、行動経済学や心理学の分野で用いられる概念です。これは、人々がお金や資源を取り扱う際に、特定の心理的な枠組みやルールを使用してそれらを評価し、意思決定を行う傾向を指します。

心理会計の基本原則の1つは、「分割の原則」です。これは、人々が経済的なトランザクションやリソースの使用を、異なるカテゴリーや口座ごとに分割して考える傾向があるというものです。たとえば、人々は収入や支出を特定の目的(生活費、貯蓄、娯楽など)ごとに分けて考えることがあります。

また、心理会計では「目的の束縛」という概念も重要です。これは、特定の目的のために割り当てられた資金は、その目的以外での使用が抵抗感や罪悪感を引き起こすという考え方です。たとえば、予算内の食事代を超えて高価なレストランで食事をすると、罪悪感を感じる場合があります。

心理会計は、人々の消費行動や投資行動に影響を与える要素としても注目されています。人々は購入や投資の決定をする際に、個別のトランザクションや取引ではなく、総合的なコンテキストや目的に基づいて評価を行う傾向があります。たとえば、高額な商品を購入する際には、その商品のコストを他の支出や貯蓄と比較して判断することがあります。

心理会計の理解は、個人や組織の経済的な意思決定や資源管理において役立ちます。心理会計の原則を考慮に入れることで、より合理的な意思決定や効果的な資源管理を行うことができる可能性があります。