ロー・ボール・テクニック

ロー・ボール・テクニック(Low-Ball Technique)は、交渉や販売の文脈で使用される心理的な手法です。このテクニックでは、最初に引き受ける条件や価格を非常に魅力的に提示し、相手が合意した後に条件を変更することで、より不利な条件を受け入れさせることを狙います。

具体的な手順は以下のようなものです:

1. 魅力的な条件の提示: 最初に非常に魅力的な条件や価格を提示し、相手を引きつけます。これにより、相手はその条件に合意しやすくなります。

2. 条件の変更: 相手が最初の条件に合意した後、条件を変更します。たとえば、価格を上げる、追加の条件を追加する、サービスの範囲を制限するなどの変更があります。

3. 合意の維持: 条件が変更された後でも、相手に合意を維持させるためにさまざまな手法を使用します。例えば、相手にはじめの条件に合意したことを思い出させる、変更された条件でもまだ有益であることを説明する、他の選択肢よりもまだ優れていると主張するなどです。

ロー・ボール・テクニックの効果は、以下の要素に基づいています:

- コミットメントの欲求: 一度合意した条件には、一貫性を保つ欲求があります。相手は最初の合意にコミットメントを感じ、それを崩したくないという心理的な要因が働きます。

- 損失回避の心理: 条件が変更された後でも、相手は最初の合意を放棄することを避けたいと感じる場合があります。変更された条件でも何らかの利益があると思わせることで、損失回避の心理を利用します。

ロー・ボール・テクニックは、一部の人に対しては不正や欺瞞的な手法と捉えられることもあります。相手に対して誠実さと信頼性を重視する場合や、公正な交渉を行う場合には慎重に使用する必要があります。